Pちゃんブログ

元教員Pちゃんが、主にアドラー心理学的な観点で、生活や人生上の問題に役に立つ考え方を紹介します。

タクシーで1万円札を出してはいけないのか?

テレビで

「タクシーで1万円札を出したら、運転手に『1000円札を用意しておいてください』と言われた」

ことが不満だといってsnsに投稿した人が話題にあがっていた。

 

この客、タクシーの運転手、どっちもどっち。


客も配慮がいる。
タクシーには強盗も多く、車内には多額の現金を用意できない。

運転手が崩そうにも、運転手を両替屋だと思っている客も多く、よく1万円札を出されるので、運転手は何度も崩す必要がある。だんだんと「もうやめてくれ」という気分になってくる。

日本の消費者は金を払えば何でもしていい、と思いすぎだ。それは、権力をもとに相手を思い通りにしようという暴君の姿勢だ。

お客さまは神様ではない。売り手と買い手は価値を交換し合っているだけで、人間としては対等だ。

 

しかし、運転手にもできることはある。

何度でも機械的に崩しに行けばいいだけだ。上記のような事情を「わかってほしい」と客に期待するからいらだちが生まれる。

そして、本当に用意することができなくて、お釣りがないときは、乗せる前に「1万円のお釣りがないんですが、いいですか?」と聞くことだ。

 

客のできることは、乗る前に「1万円札しかないけどいいですか?」と聞くことだ。すると、降車時に運転手から冒頭のことは言われない。

 

客も運転手も、自分の「こうあるべき」を相手に押し付けて期待しないこと、乗る前に「合意の形成」をすることで、気持ちよくやり取りができるようになる。

こういう小さいことの積み重ねが平和を築いていく。