派遣を3か月でクビになった話④ 結末
〈この3か月の間に体験したこと④〉
不当解雇ではないか、と思い調べた結果、雇い止めの理由明示書を請求することにしました。
ちょうどこの電話の後、契約書の端にちっちゃーーーーい字で、更新する基準が書かれていることを発見しました。
これで、更新するかどうか判断する基準は示されていたが、私がちゃんと見ていなかった、ということにされてしまうでしょう。
理由明示を求めても、(3)の「態度」あたりにあてはめられてしまいそうです。
これで勝算はゼロだとわかりました。
それでも、どのような反応を見せるか、どのような理由を出してくるのか見てみたかったので、派遣会社の担当営業に
「今回の雇い止めの理由明示書を請求します。『コミュニケーションがとれない』とのことだが、具体的にどのような事実を指してのことなのか、更新の判断基準のどれに該当するのかの明示もお願いします。」
とメールを送りました。
土日を挟んで1日、2日、メールの返信はありませんでしたが、いつもの如く、突然派遣会社の人がやってきました。
しかも、今回は、私にわからないように、そーっとやってきました。(が、やって来るのを目撃しました。)
やって来ると同時に課長、課長補佐、係長がただ事ではない様子で担当営業の所へ吸い寄せられていき、足早に会議室に入っていきました。(はじめ、お偉いさんが来たのかな?思いました。)
後ほど私が呼ばれ、担当営業と2人になりました。
営業「理由ということなんですが・・・」
P「はい。」
営業「チームワークがとれない、連携ができない、ということなんですが・・・」
P「はい。で、それは具体的にどのような事実を指しているんですか?」
営業「うーん・・・『お知らせ』を勝手に作ったんですか?」
P「ん??何のことですか?何の『お知らせ』ですか?」
営業「私も現場にいないのでわからないんですが・・・」
P「えっ・・・わからないことを僕におっしゃってるんですか?」
はっきりした答えが出てきません。
営業「とにかくうまくいっていないのは確か」
「一人一人に調査をしなければいけなくなります。そんなことをしてPちゃんのキャリアにどんなプラスになるんですか!?(怒)」
営業はだんだん怒り出しました。
ついには、
「(雇い止めの理由が具体的がにどんな事実を指してのものなのかは)明確には言えません」
と言いました。
そして、もう一つの質問、「更新はどのような判断基準によって判断されているのですか?」に対しては
「派遣先が受け入れないと言えば更新しない」
と言いました。
私は、これが派遣の本質なんだ、とわかりました。
営業は参ったのか、課長、課長補佐を呼んでもらって4人で話すことになりました。
すると、先ほどの「お知らせ」の中身がわかりました。
以前(結構前)係長ではない、担当の職員さんに私が気付いたこと提案したことがありました。
いつもお客さんが来庁時に必要な書類が案内に書いておらず、当然持ってきていない、申し込みもできないので、それを案内に付け足したらいいのでは?という提案です。
するとその職員さんは喜んで私に「作って!」と言われたので、僕は案内文を作ったのです。
完全にこの組織、お客さんへの好意です。
でも、それもいけなかったというのです。
それは係長に聞いてほしかったというのです。
前は聞かずに分かってほしかった、と怒り出した係長、今回は聞いてほしかった、と。
またもやテレパシー不足です。
私のやることなすこと全てがいけない、ということみたいです。
しかし、その後、課長補佐が言ってくれた言葉で僕はスッキリしました。
「Pちゃんがそのように言う気持ちはわかる。もしPちゃんが職員で、僕が係長だったら『2人で飲みに行って話しよう』と言う。職員だったら時間をかけてそういうことができる。でも、派遣は短期間しかいないから時間をかけるいうこともできないし、それにPちゃんはあの係長とやっていってもらわなければいけない。僕は組織を回していかなければならない。そうなると、係長の言うことを聞くしかない。」
やっと偽りのない、実のある言葉が聞けたなと思いました。
課長、課長補佐は何度も「申し訳ない」と言ってくださいました。
課長、課長補佐の対応、言葉には誠意を感じました。
それに、今回のことを通して、私は派遣の仕組みというものがよくわかりました。
だから、理由明示書の請求もここまでにし、私はクビになることをスッキリとした気持ちで受け入れることにしたのでした。
この3か月で体験したこと おわり